市場動向から読み取る!Webマーケティングの将来性と需要

「Webマーケティングに将来性ってあるの?」
「将来性のあるWebマーケターになるにはどうすればいい?」

このような不安や疑問を持っている方も多いかとは思います。本記事では、市場動向から見るWebマーケティングと、Webマーケターという職業の将来性について解説しています。これからWebマーケティング業界への転職などを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

Webマーケティングの動向

Webマーケティングを取り巻く市場は、以下のような動きを見せています。

  • インターネット利用率の増加
  • インターネット広告市場の拡大
  • SNS・動画市場の拡大
  • 企業におけるDX推進の加速

インターネットの普及はますます加速し、最近ではインターネットを利用していない人がほとんどいないほどその利用率は高まっています。

これに伴い、インターネット広告市場も拡大を続けており、ついにインターネット広告の広告費が、テレビや新聞などを含むマスメディア広告の広告費を超えました。

2022年にはインターネット広告が3兆912億円、マスコミ4媒体広告が2兆3,985億円となり、両者の広告費が初めて逆転した2021年以降、その差が広がる形となった。
出典:第2部 情報通信分野の現状と課題|総務省

また近年では、SNS・動画市場の拡大によって、次々と新たなSNSや動画プラットフォームが登場していることや、企業はコロナウイルスなどの影響でDX推進を加速しています。

●インターネット利用率の増加

2000年以降のインターネット利用率の推移は以下の通りです。

出典:令和5年版 通信利用動向調査|総務省

2000年から2005年にかけての5年間で倍近くの利用者が増加しました。さらに2022年までに利用者は約50%近く拡大しており、この20年間での普及は著しいことがわかります。

ここ数年でも微増ではありながら上昇傾向で推移しているため、Webマーケティング業界としての需要はまだまだ下がらないと考えることができるでしょう。

●インターネット広告市場の拡大

インターネットの普及は2000年代の前半に急速に加速しましたが、インターネット広告市場の拡大はどうでしょうか?日本におけるインターネット広告費の推移(マスメディア広告費との比較)は以下の通りです。

出典:Knowledge & Data 2022年 日本の広告費|電通

インターネット広告市場は2011年から2022年にかけての10年で急速に成長しており、3倍以上になっています。

2021年にはついにマスメディア広告の広告費を上回り、2022年にはさらにその差が広がっています。まだまだこれからも差は広がっていくだろうと考えられており、インターネット広告は広告業界の中心となっていくと考えられます。

●SNS・動画市場の拡大

SNSや動画市場の拡大も近年では著しく、新たなアプリや動画プラットフォームが次々と登場しています。
SNSの利用者数の推移は以下の通りです。

出典:Number of social media users in Japan from 2019 to 2023 with a forecast until 2028|Statista

SNSの利用者数がここ5年で3,000万人近く増加していることが示すように、SNS市場はどんどん拡大しており、SNSマーケティングの需要はこれからも高まっていくことが予想されます。

また動画市場では新たなプラットフォームが登場しており、利用者数もますます増加しています。

特に最近ではYouTubeのショート動画や、TikTok、Instagramのリール動画などのショート動画が注目されており、それに合わせた動画広告が配信されているため、ショート動画のマーケティングスキルもWebマーケターとして需要が高まっています。

SNS・動画市場は、近年の利用者推移や新サービスの登場などから、まだまだ伸び代のある市場であることがわかります。SNSや動画市場に特化したWebマーケターを目指していけば、人材としての価値が高まっていくでしょう。

●企業におけるDX推進の加速

企業における「DX推進」の加速は、Webマーケターの需要が高まる一つの要因となっています。

DX推進」とは、組織内でデジタルトランスフォーメーションを推し進めることで、具体的にはIT技術を駆使して生産性の向上や業務効率を行うこと。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

引用元:デジタルガバナンス・コード2.0|経済産業省

DX推進は大企業を中心に数年前から拡大していましたが、新型コロナウイルスの影響でさらに拡大が加速しています。それに伴い、DXの導入を進める企業ではWebマーケターの必要性が高まり、企業にとって需要の高い人材となってきているため、昇給・昇格を狙いやすくなることが考えられます。

今後、中小企業などでもDX推進が加速していく可能性は十分考えられるため、WebマーケターにとってDX推進は追い風になっていくでしょう。

Webマーケティングの将来性

ここまで市場の動向から見るWebマーケティングの需要や将来性について解説してきました。

しかし、「Webマーケティング業界って本当に将来性あるの?」「Webマーケティンング業界に転職しても大丈夫?」といった不安に思う方はまだいるかもしれません。特に近年ではAIの発達も著しく、AIに奪われる仕事もあるのでは?と言われる時代になってきていますが、それは本当に事実なのでしょうか?

明確に言えるのは「Webマーケティングに将来性はある」ということです。なぜそう言えるのかを具体的に解説していきます。

●Webマーケターの需要

市場動向から分かるように、Webマーケターの需要は高まっており、これからも伸びていくと考えられています。
追い風となっているのは、以下の2つの要因です。

  • インターネット広告市場の拡大
  • デジタル人材不足

前述のとおり、インターネット広告市場はここ最近で急速に拡大し、2021年にはマスメディア広告の広告費を上回りました。この動きは2024年以降もさらに拡大されることが予想されており、前年比110%を超える成長率で拡大していくと考えられています。これを踏まえると、Webマーケターの需要が低下することはまずないと考えてよいでしょう。

さらに、市場規模の拡大に伴うデジタル人材の人材不足もWebマーケターには追い風となっています。経済産業省によると2030年には約79万人のデジタル人材不足に陥るだろうと言う予測が発表されています。

労働集約業態となっている日本のIT人材の低生産性を前提とすれば、将来的に40~80 万人の規模で不足が生じる懸念があることも試算された。

出典:経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課

このため、Webマーケターはデジタル人材不足を埋める存在として、今後も確実に需要が高まっていくと考えられます。

AIの影響は?

AIによって人間の仕事は奪われる―そんな不安の声をよく耳にしますが、本当にそんなことが起こるのでしょうか?

結論、自動化できる業務に関しては、AIに取って代わる可能性は十分にありますが、Webマーケティングの仕事自体がAIに奪われる可能性は「低い」と言えるでしょう。なぜなら、AIでも巻き取りきれない難しい業務領域がWebマーケティングにはまだまだ存在しているからです。

AIで代用できる業務・データの集計・管理
・分析
・レポート作成

など
人間にしかできない業務・戦略立案
・クライアント対応

AIはデータの集計や管理、分析やレポート作成などの自動化が可能な作業に優れています。

その一方で、Webマーケティングは人間の心理を考えて戦略を立てることや、経験を踏まえて予測を立てていくことが必要となるため、これらの領域はAIにとってまだ難しいとされています。また、人間の心理の機微を読み取る必要性のあるクライアント対応も、AIが人間にはまだまだ及ばない領域でしょう。

そのため、WebマーケターとしてAIに仕事を奪われる心配はありませんが、これからは、AIをうまく活用して生産性と効率を高められるWebマーケターが、希少価値の高い優秀なWebマーケターとして活躍することができるでしょう。

将来性の高いWebマーケティングスキル

将来性の高いWebマーケティングスキルは以下の5つです。

<将来性の高いWebマーケティングスキル>

  • Web・SNSの広告運用スキル
  • BIツールを用いたデータ分析のスキル
  • SEOの知見・スキル
  • 市場の流れやトレンドを把握する情報収集能力
  • クリエイティブ能力

移り変わりの激しいWebマーケティング業界で長く活躍するためには、多くのスキルを保持することが必須であるため、できるだけスキルを保持していることで需要が高まり、重宝されます。

将来性が高いWebマーケティングスキルに関して具体的に解説します。スキルアップの参考にしてください。

●Web・SNSの広告運用スキル

Web・SNS広告運用スキルは、Webマーケターとして活躍するために必須のスキルであり、将来性も非常に高いと言えます。

ここまで解説してきたように、インターネット広告市場の拡大による影響がかなり大きく、他の広告媒体よりも効果的な広告運用へのニーズの高まりが、Web・SNS広告運用スキルの重要性を高めています。
多くの企業がWeb広告を利用する中で売り上げを上げていくためには、効果的な広告運用を行うことが重要となるため、Web・SNS広告運用スキルを持つ人材は、企業にとって非常に貴重な存在となります。

スキルとしては具体的に、Google広告、Yahoo!広告、Meta(Facebook・Instagram)広告、LINE広告など、様々なプラットフォームに対応できるスキルが必要です。各プラットフォームの特徴を理解し、ターゲットや目的に合わせた広告運用を行うことが重要となります。

<Web・SNS広告運用スキルを磨く方法>

  • 実務経験を積む
  • 資格を取得する
  • オンライン講座で学ぶ
●BIツールを用いたデータ分析のスキル

BIツールを用いたデータ分析スキルは、Webマーケターにとっての必須スキルであり、その重要性は今後も高まっていくでしょう。

BIツールとは、さまざまなデータを用いて分析し、得られたデータを元に意思決定や課題解決を支援するツールのことです。Webマーケティングはデータに基づいた意思決定が不可欠であり、データを用いて課題解決することが可能なWebマーケターは企業にとって希少価値の高い存在となります。

データ分析のスキルを持っていれば、アクセス解析、顧客分析、キャンペーン効果測定など、様々なデータを分析することで、より効果的なマーケティング戦略を立案することができ、データに基づいた意思決定を行っていれば、施策の成功確率を高め、無駄なコストを削減することができます。

具体的には、Looker Studio、Tableau、DOMOなど、様々なBIツールを使いこなし、データから解決策を導き出すスキルが今後も必要になるでしょう。また、BIツールの他にも、Google Analytics、Adobe Analytics、Google Search Consoleなどの解析ツールを使いこなせるようになることもデータ分析には重要です。

<BIツール>

  • Looker Studio
  • Tableau
  • DOMO
  • Power BI
  • Mazrica BI

<主なデータ分析ツール>

  • Google Analytics
  • Adobe Analytics
  • Google Search Console
  • ヒートマップ

BIツールを積極的に使用し、さまざまなデータ分析を行えるWebマーケターを目指しましょう。

●SEOの知見・スキル

検索エンジンは多くの人が利用する情報源であり、SEO対策を行うことで、ユーザーからの認知度を高め、企業のWeb集客に貢献します。

2024年にはサードパーティークッキーが廃止されることが発表されており、Web広告が大きな影響を受け、他のマーケティング手法に注目が集まっているなかでSEOは重要なマーケティングチャネルと考えられており、SEO担当者の需要は高まると考えられています。

サードパーティークッキーとは?
アクセスしたWebサイトとは異なるドメインが発行したクッキーのことで、クッキーとはブラウザに保存されるユーザーの情報のことです。

SEO対策によってWebサイトへのアクセス数が増えることで、潜在顧客を獲得してビジネスチャンスを拡大することができるだけではなく、Web広告とは異なり広告費がかからないため、顧客獲得単価を下げることにも繋がります。

検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に更新されており、常に最新情報を把握し、適切な対策を施す必要があるため、中途半端なスキルでは施策が失敗に終わることも多々あります。

そのため、SEO対策の専門知識をもつWebマーケターは、貴重な人材として求められます。様々なSEO対策を総合的に行うことができるスキルを身につけることが重要です。

<SEO対策で必要なスキル>

  • キーワード選定
  • コンテンツ制作/編集
  • リライト施策考案
  • サイト設計
  • 被リンク獲得

これらのスキルはスクールでも学ぶことができます。効率的にSEOのスキルアップを目指していきたいという人は、スクールを受講して学ぶことも検討してみるといいでしょう。

将来性のあるWebマーケターになるには?

将来性のあるWebマーケターになるために必要なことは以下の3つです。

  • スキルを磨き続ける
  • 多様な案件をこなし経験値を積む
  • マネジメントする立場になる

将来性のあるWebマーケターにならなければ、移り変わりが早いWebマーケティング業界で活躍し続けることはできません。どんなことをすればよいのかを具体的に解説します。

●スキルを磨き続ける

変化の激しいWebマーケティング業界でWebマーケターとして活躍するためには、スキルを磨き続けることは必須です。

Webマーケティングのトレンドは常に変化しているため、最新のスキルを身につけなければ、変化に対応していくことはできず、長く活躍することができないからです。Webマーケターとして磨き続けるべきスキルは以下の通りです。

  • 情報収集能力
  • Webマーケティング施策の考案力
  • SEO対策のスキル
  • Web広告の運用スキル
  • SNSの運用スキル
  • アクセス解析スキル

これらのスキルは、常にアップデートされていくため、完璧に身についたという定義はありません。そのため、現状に満足せず常に学び続け、自らのスキルもアップデートしていくことが求められます。

スキルを磨き続けるコツは以下の通りです。常に成長意欲を持ち、スキルを磨き続けましょう。

  • 常にアンテナを高く持ち、最新情報を収集する
  • 積極的に新しいことに挑戦する
  • 自分のスキルを振り返り、改善点を見つける
  • 目標を設定し、計画的に学習する
●多様な案件をこなす

様々な業界の案件に対応することになるWebマーケティングでは、様々な案件の経験をこなすWebマーケターは、業界知識も豊富で経験値が高いため、企業にとって貴重な存在であり、将来性の高い人材として市場価値が高まります。

専門分野が限定される人材よりも、Web広告やSNSマーケティング、SEOなど、様々な分野に対応することができる人材は重宝され、専門分野を増やすことで将来性のあるWebマーケターになることができるでしょう。

  • 積極的に案件に挑戦する
  • 異なる専門分野のスキルを習得する

Webマーケティングの知識を持っていれば、他の業界からの案件でも柔軟にこなせるスキルを活かすことができたり、業界の特徴や案件の状況によってWeb広告やSNSなど様々なWebマーケティングを組み合わせた施策も展開できるため、より成果をあげることに繋がります。

将来性のあるWebマーケターになるために、様々な案件をこなすことで経験値と知識を積み、人材としての市場価値を高めていきましょう。

●マネジメントする立場になる

将来性のあるWebマーケターになるには、マネジメントする立場になり、組織を統率できる人材になっていくことも必要になります。Webマーケターを束ねるポジションに就くことができれば、人材としての市場価値がより高まるため、リーダーシップやマネジメントスキルを磨くことも検討してみましょう。

<マネジメントする立場に必要なスキル>

■リーダーシップ

  • 目標設定
  • チームビルディング
  • コミュニケーション

■マネジメントスキル

  • 予算管理
  • 人材育成
  • リスクマネジメント

上記のスキルは、書籍やWebサイト、セミナーなどを受けることで、インプットすることができますが、さらに大事なのは実際にアウトプットしていくことです。

現在、マネジメント職にない人でも、積極的に自分のチームでリーダースキルやマネジメントスキルを考えて行動し、まずは小さい組織で経験を積んでいくことがおすすめです。

まとめ

本記事ではWebマーケティングの将来性について解説してきました。

Webマーケティングには将来性があり、これからもますます需要が高まることが予想されます。しかし、移り変わりの激しいWebマーケティング業界で活躍し続けるために、将来性のあるWebマーケターになるにはどのような要素が必要であるのかを理解しておく必要があります。

<将来性のあるWebマーケターになる方法>

  • スキルを磨き続ける
  • 多様な案件をこなし経験値と知見を積む
  • Webマーケティングの中でも1つの職種にこだわらず、複数の職種を経験する

上記のことを意識して自らの市場価値を高め、将来的に求められる人材を目指しましょう。

スキルを磨くには常に最新の情報やトレンドを踏まえた情報を学ぶことができる場としてスクールがおすすめです。将来性のあるマーケターになりたい方は、ぜひスクールの受講を検討してみてください。

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この記事を書いた人

D's Marketing Boot Campの管理人です。
未経験から日本の最前線で戦えるマーケターを育成しています。
知識、経験0から大手マーケティング会社、事業会社への就職を達成させるために、就活や就労後に業界で「戦い抜くスキル」を身に付けるマーケターを本気で目指す人のためのマーケティングスクールです。

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