マーケティング必須!顧客行動を解明する「ファネル分析」の基本と実践法

マーケティングにおいて、顧客を効果的に獲得し、継続的な収益を確保するためには、成果を適切に測定し、改善の余地を特定する必要があります。このニーズに応える手法として注目されているのが「ファネル分析」です。

ファネル分析は、潜在顧客が最初の認知から購買に至るまでの一連のプロセスを可視化し、各ステップでの離脱率やボトルネックを明らかにすることで、マーケターが顧客の行動を深く理解し、リードの質を高め、コンバージョン率を最大化するための対策を講じることができる分析手法です。

目次

ファネル分析の定義と概要

ファネル分析は、潜在顧客が製品やサービスを認知し、興味を持ち、検討を重ね、最終的に購入に至るまでの一連のプロセスを視覚的に表したもので、そのプロセスは、一般的に「ファネル」と呼ばれる漏斗状の形状で表現されます。

マーケティングプロセスにおけるファネル分析の位置づけ
ファネル分析は、マーケティングプロセスの中核を成す要素です。潜在顧客の行動を段階的に追跡し、各段階でのエンゲージメントや離脱率を測定することで、マーケティング活動の効果を把握し、改善の糸口を見つけることができます。

ファネル分析の目的

ファネル分析の目的は以下の3つです。

潜在顧客の行動把握

各ステップにおける興味関心の度合いや、離脱の理由など、潜在顧客の行動を詳細に把握し特定することで、顧客ニーズに合ったアプローチを実施できます。

例えば、ECサイトにおけるファネル分析では、商品ページの閲覧数、カートへの追加数、購入完了数などを追跡します。離脱率が高いステップを特定し、そのボトルネックを解消することで、コンバージョン率の向上が期待できます。

課題発見と改善ポイントの特定

ファネル分析を通じて、マーケティングプロセス全体の課題を発見し、改善の糸口を見つけることができます。例えば、初期段階での認知度が低ければ広告への投資を増やす、中間段階で離脱が多ければウェブサイトのユーザビリティを改善する、など、具体的な対策を講じることが可能になります。

効果的なリードナーチャリングの実施

ファネル分析によって得られた顧客データを活用することで、リードナーチャリング(見込み客の購買意欲を高めるマーケティング活動)を効果的に行うことができます。各段階に合わせたコンテンツやメッセージを提供し、適切な時期にフォローアップすることで、顧客をスムーズに次のステップへと導くことができます。

企業は、ファネル分析を通じて獲得したインサイトを活用し、マーケティング活動を継続的に改善していくことが重要です。潜在顧客の行動を深く理解し、ニーズに合ったアプローチを実施することで、顧客満足度の向上とビジネス成長の実現が期待できます。

ファネル分析のやり方

ファネル分析を適切に行うためには、分析対象となるファネルの段階や指標を適切に設定する必要があります。

STEP
分析対象となるファネル段階の設定

まず、分析対象となるファネルの段階を設定します。一般的には、認知→興味→検討→購入といった4段階モデルが用いられますが、ビジネスの種類や目的に応じて調整する必要があります。例えば、ECサイトの場合は、商品ページビュー→カート追加→購入手続き→購入完了、といった具合です。

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指標の設定(コンバージョン率・離脱率など)

次に、分析で使用する指標を設定します。主な指標としては、各段階のコンバージョン率(次の段階へ進む割合)、離脱率(その段階で離れる割合)などがあります。目標に応じて適切な指標を選択し、基準値を設定します。

STEP
Google Analyticsを用いた分析

多くの企業が、ファネル分析ツールとしてGoogle Analyticsを活用しています。Google Analyticsでは様々な分析が可能で、レポート機能を使った簡易的な分析から、カスタムレポートを使った詳細な分析まで、ニーズに合わせて実施できます。

Googleアナリティクスによるファネル分析手順の解説 

レポート機能を使った簡易的な分析方法

Googleアナリティクスの「コンバージョン」レポートを使えば、簡単にファネル分析ができます。まずゴール(例:購入完了など)を設定し、そのゴールに至るまでの各ステップのデータを分析します。離脱率やコンバージョン率を把握でき、ボトルネックとなる段階を特定できます。

カスタムレポートを使った詳細分析

より詳細な分析が必要な場合は、カスタムレポートを作成します。ここでは自由に指標やディメンションを組み合わせることができ、ユーザーの属性や行動履歴に基づいた分析も可能になります。

例えば、デバイスカテゴリ別のファネル分析を行うことで、スマートフォンユーザーとPCユーザーの違いを発見できます。また、リマーケティングリストを使ってファネルを設定すれば、一度サイトを離れたユーザーの行動を追跡し、適切な施策を打つことができます。

具体的なカスタムレポートの作り方は以下の通りです。

1.レポートを新規作成し、「フリーフォームレポート」を選択

2.ファネル段階ごとに「次の手順」を設定(例:ページビュー→イベント→目標の達成) 

3.ディメンションと指標を指定(デバイスカテゴリ・購入額・コンバージョン率など)

4.必要に応じてフィルタやセグメントを設定

このようにカスタマイズすれば、企業の実態に合ったきめ細かいファネル分析が可能になります。分析結果を基に、課題の特定や対策の立案、効果測定を行うことで、マーケティング活動を継続的に改善していくことができます。

ファネル分析の活用方法

ファネル分析の知見は、ウェブサイトやカスタマージャーニーの改善に活かすことができます。離脱が多い箇所を特定し、ページのレイアウトやナビゲーションを見直したり、適切なコンテンツを配置したりすることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることが可能です。

ABテストやヒートマップツールとの連携

ファネル分析はABテストやヒートマップツールなどと連携して使うと、より詳細なデータが得られます。ABテストによって最適なUIやコンテンツを見つけ出し、ヒートマップでユーザーの行動を視覚化することで、改善の優先順位をつけやすくなります。

ファネル分析の活用事例

ファネル分析は、様々な企業によって活用されており、マーケティング活動の最適化に大きく貢献しています。

Meta(旧:Facebook)は、ファネル分析を活用してモバイルアプリのユーザー体験を改善しました。アプリ内の各ステップでの離脱データを分析し、ボトルネックとなっている部分を特定。UIやUXの見直しを行った結果、新規ユーザー獲得数が20%増加したそうです。

アマゾンもファネル分析の活用企業として知られています。ECサイトでの購買プロセスを徹底的に分析し、ユーザビリティの改善を重ねてきました。その結果、コンバージョン率が大幅に向上し、売上の伸長につながりました。

国内企業の事例としては、楽天が挙げられます。楽天は、商品購入ファネルの分析から獲得した知見を活かし、チェックアウトの簡素化や決済方法の改善を行いました。その結果、カートから購入までの離脱率が20%以上改善されたと報告されています。

まとめ

潜在顧客の行動を可視化し、マーケティング活動の課題や改善ポイントを発見するための強力な分析手法であるファネル分析は、顧客データに基づいた分析から得られる知見を活用することで、顧客満足度の向上、リードの質の改善、コンバージョン率の最大化などが期待できます。

企業は、ファネル分析で得られた知見を基に、ウェブサイトの改善やユーザーエクスペリエンスの最適化を継続的に行うことが重要です。顧客の行動を深く理解し、ニーズにマッチしたアプローチを実践することで、マーケティング活動の成果を最大化できるでしょう。

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この記事を書いた人

D's Marketing Boot Campの管理人です。
未経験から日本の最前線で戦えるマーケターを育成しています。
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