マーケティング業界はゼロからのスタート―株式会社凸の代表長谷川が語る、挑戦と成長を続ける中で重要なマーケティングの土台となる基礎力

マーケターとして第一線で活躍する人たちは、最初からすごいマーケターだったわけではありません。誰しも最初はゼロからのスタートで、必ず「マーケティング」との出会いがあります。

今回インタビューをした、D-CAMの運営元でもある株式会社凸の長谷川氏もその一人です。

未経験からのマーケターへのキャリアは決して平坦な道ではなかった中で、長谷川氏がどのようにキャリアを形成したのか、そしてそこから学んだ基礎力の重要性などについて語ってもらいました。

目次

キーエンスからサイバーエージェント、そして起業という選択―マーケティングとの出会い

── まずは、長谷川さんのご経歴と、マーケティングとの出会いを教えてください。

キャリアの始まりは、新卒でキーエンスというメーカーに入社したことから始まります。アルバイト時代から営業職をやっていたこともあり、社会人になるタイミングで、営業といえば…と考え、入社したのがきっかけです。もちろん営業職に従事したわけですが、自分の成長のためにと考えたタイミングで転職を決意しました。

──なるほど。そこからどのようなキャリアの選択をしていったのでしょうか?

転職を決めた会社は、サイバーエージェントというIT関連の会社です。当時は友人の紹介で受けたので、最初はどんな企業か詳しく理解していませんでした(笑)。

── サイバーエージェントで最初に配属されたのはどこの部署だったのですか?

入社から約8年ほどは、広告代理店部門の営業チームに在籍していましたね。入社当初は、営業さえできれば良いと思っていたので、ブラインドタッチもできずExcelもほとんど使えない状況で(笑)。1カ月も経たないうちに辞めようかと思ったこともありましたが、あともう少しだけ…あともう少しだけ…と常にもがきながら、自腹でパソコンスクールに通ったりと、がむしゃらに努力していました。

その努力もあり、ナショナルクライアントのアポイント獲得や新規クライアントの開拓につなげられました。ただその一方で、営業力とトークスキルだけが強みだったので、必要な提案スキルを身につけるのには苦労しましたね。

当時は現場で経験していく中で、分からないことを先輩に聞いて自力で勉強して、という繰り返しで、がむしゃらに学んでいたように思います。その中で提案力が身につき「マーケティング」+「営業」+ αを経験していく中で、だんだんとおもしろさを感じるようになっていきました。

今振り返ると、元々マーケティングがゼロからのスタートだった自分にとって、サイバーエージェントに入社したことは偶然とも言える選択でしたが、根性と気合で食らいついていき、提案力やマーケティング戦略の構築などを学べるよい機会となり、本当によかったと思っています。

基礎力をいち早く身につけることが最大の武器に

── 次に新規事業の立ち上げ、そして起業のきっかけを教えてください。

サイバーエージェントから当時子会社であったトレンダーズに出向し、当時の社長と新規事業を立ち上げました。そこで女性美容に関連するサービスの立ち上げを行いましたが、サイト設計からサービス設計、営業開拓、チーム形成と、全てのことを行いました。

── なるほど、そのあとご自身の会社を設立されたのですね!

長谷川:はい、それが現在の凸という会社です。中でも「クライアントのビジネスを理解するために情報を深堀りする」というのは、現在もトレンダーズやサイバーエージェント時代の経験が生きています。深掘りする習慣は、結果的にうちの会社でやっているアプリマーケティングやASPの事業にも活きていると思います。Webマーケティングは特にトレンドの移り変わりも早いですし、自分で情報を取りに行って深堀りして次回提案の準備をする、というプロセスを繰り返して、場数を踏むことが大事ですね。

──トレンドや情報収集について、ご自身で意識していることはありますか?

実は、積極的に情報を収集するというよりも「たまたま自分の目に映ったものや自分のアンテナに引っかかったもの」をとことん深堀りすることを意識してますね。そうすることで結果的に、収集できる情報が増えていく気がします。

最近では海外の取引先が多いので「直接現地に行って、対面で話を聞く」ということも大事にしています。今は、どちらかというとオンラインが当たり前になっていますが、実際に現場に行って直接話を聞くと、コミュニケーションの中で色んなアイディアが出てきて、結果「それいいですね、一緒にやりましょう!」みたいなことが出てくるんです。

広告のコンペも一緒ですね。特に海外企業からのオリエンは、情報が少ない場合も多いので、こちらからしっかりヒアリングすることの重要性も感じています。

── 商談もコンペも、クライアントのビジネスをしっかりと学び、理解をしないといけないという意味では、マーケティングの基礎になる基本的なステップやフレームワークを知っているとスムーズですね。

そうなんです。深掘りすることが大事というのは先に話した通りですが、深掘りをしようと思えば永遠に深掘りできますからね(笑)。だからこそ、きちんとマーケティングの基礎を理解しておくとスムーズですし、フレームワークに沿って市場やターゲットの分析をし、戦略立案から施策の実行に臨めることは、マーケターとして最大の武器になると思います。

基礎を固めることと現役のマーケターの考えを聞くことは何よりも重要!

── 優秀なマーケターになるには、まず何が必要だと感じますか?

マーケティングの基礎を実践的に学べる環境があれば最高ですね。サイバーエージェント時代に私が経験したように、環境によってはそうはいかない場合も多いのは事実ですが、やはり基礎力を身につけるだけで、マーケティングの仕事が何倍にも楽しくなりますし、自身の価値提供の最大化にもつながります。

── それでは最後に「マーケタ―になりたい」「転職したい」と考えていらっしゃる方々に向けて、長谷川さんからアドバイスをお願いします。

「現役のマーケターの話を直接聞くことをベースに置くこと」と「基礎をいち早く学んで実践に生かすこと」が1番重要だと感じています。

書籍を読んだり、インターネットで情報を収集したり、移り変わりが早いからこそトレンドの流れに敏感でいることももちろん重要だと思います。しかしそれ以上に、実際に現場で活躍している方々のアイディアや経験、知識を得ることも重要です。経験に基づいたアドバイスを受けることで、視野も広がりやすくなるし、そのアイディアや意見を積極的に取り入れることは、新しい視点を得る上ですごく大切です。

ローマは1日してならずなので(笑)、しっかりとマーケティングの基礎を固め、実践の場数を踏んで行くことが近道ではないかと思います。


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この記事を書いた人

D's Marketing Boot Campの管理人です。
未経験から日本の最前線で戦えるマーケターを育成しています。
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