Webマーケティング初心者の方々の中には、「知らない専門用語が多く登場する」「専門用語の解釈が難しい」と感じている方が多いのではないでしょうか?確かに、Webマーケティング業界では、あまり馴染みのない専門用語が多用されるため、それらを理解しておくというのは必要不可欠です。
多数存在するWebマーケティングの専門用語の中から、本記事では基本的かつ重要なものを抜粋し、具体的に解説していきます。ぜひ参考にして、スムーズな学習にお役立てください。
Webマーケティングの基本用語
まずは、必ず押さえて起きたおきたい12の基本用語をご紹介します。Webマーケティングの業務では必ずと言っていいほど登場する用語ばかりで、使用する頻度も高い用語ばかりです。
- ディスプレイ広告
- テキスト広告
- リスティング広告
- アフィリエイト広告
- 検索クエリ
- コンテンツマーケティング
- オウンドメディア
- コーポレートサイト
- LP(ランディングページ)
- SNSマーケティング
- SEO
- オーガニック検索
- ディスプレイ広告
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Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像のバナーや動画を使用する広告のことを指し、バナー広告とも呼ばれます。
ユーザーの興味や閲覧サイトの内容に合わせた広告配信が可能で、認知度向上やブランドイメージの強化、商品購入の促進など、さまざまな目的で利用されています。
ディスプレイ広告は、効果的に運用することで、費用対効果の高い広告手法です。 - テキスト広告
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文字のみで構成されるインターネット広告です。
画像や動画は使用せず、検索結果画面やWebサイトのテキストエリアに表示されます。
画像や動画広告と比べて制作費用が安く、クリック単価も比較的低いことが特徴です。テキスト広告は、限られた文字数でいかにユーザーの興味を引く広告文を書くかということが重要です。 - リスティング広告
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検索エンジン上でユーザーが検索したキーワードに関連する広告を、検索結果画面の上部に表示する広告手法です。
ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を表示することで、高いクリック率とコンバージョン率を獲得することができます。リスティング広告はクリック課金制のため、無駄な広告費用を抑えられることが特徴です。
別名「PPC広告(PPCは”Pay Per Click”の略)」と呼ばれる場合もあります。 - アフィリエイト広告
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成果報酬型の広告手法の一つです。
広告主は、アフィリエイターと呼ばれる広告掲載者に広告を掲載してもらい、その広告経由で商品やサービスが購入や資料請求などの成果が発生した場合にのみ、報酬を支払います。
サイトやブログの内容に合わせて、ターゲット層に広告を配信できることが特徴です。 - 検索クエリ
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ユーザーが検索エンジンで情報検索を行う際に、検索窓に入力する単語やキーワードのことを指します。検索クエリは、大きく分けて以下の3種類に分類されます。
<検索クエリの3つの種類>
- ナビゲーションクエリ:特定のWebサイトやページを探したい場合に入力するクエリ
- インフォメーションクエリ:情報収集したい場合に入力するクエリ
- トランザクションクエリ:行動を起こしたい場合に入力するクエリ
- コンテンツマーケティング
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コンテンツをユーザーに提供することで、顧客との信頼関係を築き、顧客獲得や売上向上に繋げるマーケティング手法です。ブログ記事やSNSなど、さまざまな形式のコンテンツが活用されます。
短期的な効果ではなく、長期的な視点で顧客との関係を築けることが特徴で、商品やサービスのファンを獲得するために、多くの企業が注力しています。 - オウンドメディア
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企業や組織が自社で所有・運営する情報発信のためのメディアのことであり、ブログ、Webサイト、ソーシャルメディアなど、さまざまな形態があります。
広告枠に縛られることなく、自社の商品やサービスに関する情報を自由に発信できることが特徴です。継続的にコンテンツを更新することで、長期的な資産として活用することも可能です。 - コーポレートサイト
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企業が自社情報や事業内容を発信するために運営するWebサイトのことで、主に企業理念やビジョン、商品・サービス情報、採用情報などを掲載します。
コーポレートサイトは、企業にとって重要な情報発信拠点であり、企業イメージやブランドイメージを左右する重要な役割を担っています。 - LP(ランディングページ)
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ユーザーが検索エンジンや広告経由で最初にアクセスするページのことです。
LPは、ユーザーに特定の行動を促すことを目的として設計されており、商品購入、資料請求、メルマガ登録など、具体的な行動を促すページとして活用されます。広告効果を高め、コンバージョン率を向上させるために重要な役割を果たします。 - SNSマーケティング
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Facebook、X(旧:Twitter)、Instagramなどのソーシャルメディアを活用して、商品やサービスの認知度向上、顧客とのコミュニケーション、売上向上などを目指すマーケティング手法です。
SNSマーケティングでは、広告を出稿するには費用がかかりますが、基本的な運用は無料で行うことができます。近年、SNSの利用者数は増加しており、多くの企業がSNSマーケティングに注目しています。 - SEO
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SEOは「Search Engine Optimization」の略で、「検索エンジン最適化」という意味です。Googleなどの検索エンジンで特定のWebサイトが上位表示されるように、サイトの構造やコンテンツを最適化する一連の手法を指します。SEOを行うことで検索エンジンからの流入を増やし、サイトへのアクセス数や売上向上などを期待できます。
- オーガニック検索
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検索エンジンでキーワードを検索した場合に表示される結果のうち、広告枠以外の部分のことを指し、自然検索とも呼ばれます。検索エンジンは、独自のアルゴリズムに基づいてWebサイトを評価し、順位付けを行い、検索結果に表示します。オーガニック検索での上位表示を目的とする手法が、前述のSEOです。
計測関連の基本用語
Webマーケティングの業務において、計測ツールの使用は必須です。そのため、実践で活躍するためには計測関連の基本用語を覚えておくことも欠かせません。Webマーケティングでよく使われる計測ツールのうち、Googleが提供する最も代表的な2つのツールを覚えておきましょう。
- GA4(Google Analytics 4)
- Googleサーチコンソール
それぞれのツールで計測できる指標と、計測されたデータをどのように活用できるのか、具体的に解説していきます。
- GA4
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GA4は、「Google Analytics 4」の略で、Googleが提供する最新のWebサイト分析ツールです。
従来のユニバーサルアナリティクス(UA)と異なり、ユーザーの行動をセッションではなくイベント単位で計測し、より詳細な分析が可能です。GA4で計測できるデータは多岐にわたりますが、主なものは以下の4つです。
GA4で計測できる指標
- ユーザー指標
- エンゲージメント指標
- コンバージョン指標
- ユーザー属性
これらの指標を組み合わせることでユーザーの行動をより深く理解し、効果的なマーケティング施策を実行することができます。計測指標に関する用語は、本記事の「効果指標関連の用語」をご覧ください。
- Googleサーチコンソール
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Googleサーチコンソールは、Googleが提供する無料の分析ツールです。
Webサイトの検索結果におけるパフォーマンスを分析し、改善するための機能を提供します。Googleサーチコンソールで計測できる指標は以下の通りです。
Googleサーチコンソールで計測できる指標
- クリック数: 検索結果でWebサイトがクリックされた回数
- 表示回数: 検索結果でWebサイトが表示された回数
- CTR(クリック率): 表示回数に対するクリック数の割合
- 平均掲載順位: 検索結果におけるWebサイトの平均的な順位
- インデックス登録数: GoogleにインデックスされているWebサイトのページ数
これらの指標を分析することで、Webサイトの検索エンジンにおけるパフォーマンスを把握し、改善点を特定することができます。CTRなど計測指標の用語に関しても、「効果指標関連の用語」で具体的に解説しているのでぜひ参考にしてください。
効果指標関連の用語
計測ツールを活用する中で、計測データから導き出された分析結果と、そこから抽出された課題に対して施策を実行するためには、効果指標に関連する用語の理解は欠かせません。
- KPI
- イベント
- UU
- PV
- セッション
- ユーザー
- エンゲージメント
- エンゲージメント率
- 直帰率
- リファラル
- インプレッション
- CTR
- CPC
- CV
- CVR
- CPA
- オーディエンス
- リーチ
- UGC
それぞれ具体的に解説していきます。
- KPI
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「Key Performance Indicator」の略で、重要業績評価指標のことです。
企業や組織が目標達成に向けて、どの程度のパフォーマンスを発揮しているかを定量的に測定するために設定する指標です。KPIを設定することで、目標達成までの進捗状況を把握し、必要に応じて改善策を講じることができます。 - イベント
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効果指標における「イベント」は、ユーザーがWebサイトやアプリ上で起こした特定の行動を指します。具体的には、以下のようなユーザー行動が「イベント」として計測されます。
- ページビュー
- クリック
- フォーム送信
- 動画再生
- 購入
これらのイベントを計測することで、ユーザーがWebサイトやアプリ上でどのように行動しているかを分析することができます。
- UU
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「ユニークユーザー(Unique User)」の略で、一定期間内に特定のWebサイトやアプリを訪れたユーザーの数を指します。UUは、Webサイトやアプリの利用状況を把握するための重要な指標です。UUを計測することで、以下のような分析が可能です。
- Webサイトやアプリへの流入数
- ユーザーの訪問頻度
- ユーザーの属性
- PV
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「ページビュー(Page View)」の略で、一定期間内に特定のWebサイト上のページが閲覧された回数を指します。PVを計測することで、以下のような分析が可能です。
- Webサイト全体の閲覧数
- 人気のあるページ
- ユーザーの閲覧傾向
PVを計測することでユーザーの行動やニーズを分析し、効果的な改善につなげることが可能です。
- セッション
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ユーザーがWebサイトやアプリ上で一定時間内に連続して行った操作を指します。ユーザーの行動を分析するための指標であり、以下のような分析が可能です。
- ユーザーのWebサイトやアプリ滞在時間
- ユーザーが閲覧したページ数
- ユーザーが実行したアクション
これらの分析結果に基づいて、ユーザーの離脱率を減らすことやコンバージョン率を向上させるために施策を考えていくことが可能です。
- ユーザー
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Webサイトを利用する個々の人のことを指します。ユーザーを理解することで、ユーザーにとってより使いやすく、魅力的なWebサイトを作ることができます。
ユーザーの行動や属性を分析することで、以下が可能になります。- Webサイトの利用状況の把握
- ユーザーのニーズや興味関心の理解
- マーケティング施策の効果測定
- Webサイトの改善
- エンゲージメント
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ユーザーがWebサイトやコンテンツに対してどれだけ積極的に関与しているかを表す指標です。エンゲージメントが高い、すなわちWebサイトやコンテンツに満足しているユーザーは、以下のような行動をとります。
- Webサイトに長時間滞在する
- 多くのページを閲覧する
- コンテンツにいいねやコメントをする
- 商品を購入する
- エンゲージメント率
-
特定の投稿に対するユーザーの関与度を示す指標です。
<計算式> エンゲージメント率 = エンゲージメント数 ÷ インプレッション数 × 100
エンゲージメント率が高いほど、ユーザーが投稿に積極的に関与していることを示しています。また、エンゲージメント率は、以下の情報を分析するために役立ちます。
- コンテンツがユーザーの興味を引く内容になっているか
- 適切なターゲティングができているか
- 直帰率
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直帰率とは、Webサイトのページにアクセスしたユーザーのうち、そのページだけを見て離脱したユーザーの割合を表す指標です。
<計算式> 直帰率 = 直帰セッション数 ÷ セッション数 × 100
サイト設計においては、ユーザーが求める情報が見つけやすく、離脱の少ない、直帰率の低いページを作成することが求められます。
- リファラル
-
「参照元」「リファラー」とも呼ばれ、ユーザーがWebサイトやアプリのページを訪れる際に経由したWebサイトを指します。リファラル情報を分析することで、以下のようなことがわかります。
- ユーザーがどんな外部サイトから流入してきたのか
- どのWebサイトからの流入が多いのか
リファラルは、自社のWebサイトがどんな外部サイトで言及されてリンクされているかを示す指標と言うことができるため、どの参照元サイトからの流入がコンバージョンに繋がっているのかを確認して購入導線の見直しを図ったり、自社サイトの特定のページに誘導するプレスリリースを配信したあと、どのくらいのメディアに取り上げてもらえたのかを確認するなどのアクションに繋げることができます。
- インプレッション
-
インプレッションとは、広告や記事コンテンツなどがユーザーに表示された回数を指します。インプレッション数を増やすためには、以下のような対策が有効です。
広告の場合
- ターゲティング
- 適切な媒体に掲載する
オーガニック検索の場合
- SEOを行う
インプレッション数を分析することで、より効果的な広告配信やコンテンツ制作が可能になります。
- CTR
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「Click Through Rate」の略で、広告や自然検索流入において、WebサイトまたはページURLがユーザーにどれぐらいクリックされたかを表す指標です。クリック率、とも呼ばれます。
<計算式> CTR = クリック数 ÷ インプレッション数 × 100
CTRが高いほど、ユーザーが興味を持っていることを示し、広告や自然検索流入の効果が高いと言えます。
- CPC
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「Cost Per Click」の略で、クリック課金型の広告で、ユーザーが広告をクリックした際に広告主が支払う費用=クリック単価のことを指します。
<計算式> CPC = 広告費 ÷ クリック数
CPCの変動を見て、キーワード選定、広告クリエイティブ、入札戦略などを工夫し、コストの調整を行います。
- CV
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「コンバージョン(Conversion)」の略で、Webサイトやアプリにおけるユーザーの行動が、企業にとって最終的な成果のことを意味します。具体的には、商品購入、資料請求、会員登録、メルマガ登録など、企業が目標とするアクションがこれに該当します。Webマーケティングでは多くの場合、CV(コンバージョン)を目的として運用や施策が行われます。
- CVR
-
「Conversion Rate」の略で、アクセス数に対してどのくらいのコンバージョン数があったかを表す指標です。コンバージョン率とも呼ばれます。
<計算式> CVR = コンバージョン数 ÷ アクセス数 × 100
CVRは高いに越したことはありませんが、それには以下のような対策が有効です。
- 最適なターゲティング
- 魅力的なコンテンツの作成
- ユーザーに行動を促す要素
- UXやUIの向上
- CPA
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「Cost Per Acquisition」の略で、広告費に対してどのくらいの顧客を獲得できたかを表す指標として用いられます。顧客獲得単価とも呼ばれます。
<計算式> CPA = 広告費 ÷ 顧客獲得数
CPAは低く抑えるに越したことはありませんが、それには以下のような対策が有効です。
- 最適なターゲティング
- 広告クリエイティブの改善
- 入札戦略の見直し
- オーディエンス
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Webマーケティングにおける「オーディエンス」とは、広告やコンテンツを配信する対象となる人々を指し、以下のような属性を表す指標として用いられます。
- 年齢
- 性別
- 地域
- 興味関心
- 行動履歴
- 利用デバイス
効果的な広告やコンテンツを配信するためには、それぞれのオーディエンスに合わせたアプローチが必要になるため、オーディエンスを明確にすることは非常に重要です。
- リーチ
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Webマーケティングにおいては、広告やコンテンツが特定の期間内にどれだけのユーザーに「到達」できたかを示し、ブランド認知度向上や新規顧客獲得などの目的で重要な指標です。リーチは、インプレッション数やクリック数、CVRなどの指標と合わせて分析することで、より効果的なWebマーケティング施策を実行することができます。
- UGC
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「User Generated Contents」の略で、企業ではなく、一般ユーザーによって制作・発信されるコンテンツを指します。ユーザー生成コンテンツとも呼ばれます。
代表的なUGCには以下のようなものがあります。- SNSへの投稿
- 口コミサイト
- Q&Aサイト
- 動画共有サイト
UGCはユーザーの生の声ということができるため、企業が作成した広告よりも信頼されやすいのがメリットと言えます。
まとめ
本記事では、重要なWebマーケティングの専門用語について解説しました。用語とその意味を理解することで、Webマーケティングへの理解度も格段に高まります。
中でも、計測指標に関する用語は実務的に大きく役立つことは間違いありません。Webマーケティングの専門用語は多くありますが、まずは本記事でご紹介した基本的な用語を抑えておけば、新たな用語が登場してもその意味の理解はより楽になるはずです。