売れ続けるマーケターを目指すなら必須——Playioを率いる大川雄平氏が語るマーケティングの「基礎」の大切さと学び方

マーケターとして活躍する人は、ゼロからスタートし、キャリアの中で必ず「マーケティング」との出会いがあります。今回お話を伺う大川雄平氏は、大学在学中に起業後、フィリピンへの語学留学中に出会った広告代理店に新卒で入社し、二度目の起業を経て2021年に株式会社凸に入社。28歳で執行役員に就任し、マーケティング事業部を率いています。

そんな大川氏がマーケティングの仕事に就いたきっかけは、学生起業での失敗の経験から「ウェブ広告を自分が完璧に熟知できれば、集客の問題は解決する」と考えたことでした。新卒からのキャリア形成とマーケティングの関わりについてお話を伺いました。

目次

学生起業の失敗から広告の道へ — 異色のキャリアスタート

——— 学生起業からWeb 広告代理店のフィリピン支社、なかなか珍しいキャリアのスタートですね。きっかけを教えていただけますか?

フィリピン支社配属は、大学時代に語学留学していたフィリピンのセブ島で、イベント団体を立ち上げたことがきかっけです。そのイベントを通じて出会った経営者から紹介してもらったのが、最初に就職した広告代理店でした。

大学4年になってもキャリアに悩んでいたのですが、セブ島時代のその広告代理店の話を耳にして魅力を感じていたのと、留学でフィリピンの魅力にはまったこともあり、大好きだったフィリピンの地で興味のあった広告の仕事ができるということで入社し、2年間勤めました。

ところが入社1年目で新型コロナウィルスの感染拡大が始まり、現地がロックダウンしてしまったのです。日本に帰国後は1年間自宅からリモートワークしていたのですが、もともと2年勤めたらもう一度起業をすると決めていたので、2年が経ったタイミングで前職の同僚や自分の仲間ともう1度会社を起こし、さらに2年後の2021年、縁あって凸に入社しました。

——— 凸に入社されるまで、怒涛の3年間ですね。

そうですね。まさにジェットコースターという感じでした。

——— 最初からマーケティングの仕事に就くことを目指してたというよりも、学生起業からスタートして、結果的にマーケティングに関わっているという感じだったのですね?

はい。ただ、学生時代に起業して挫折したときに気付いたことがあり、それは、僕が立ち上げたビジネスがうまくいかなかった根本的な原因は「プロダクトは作れたけれど、集客ができなかった」ということでした。

当時の僕は、集客とは「営業」と「広告」だと思っていました。特に営業に関しては、フィリピン留学中に現地で作ったイベント団体で協賛を募るために営業活動をしていたこともあり、ある程度の自信があったのですが、広告は全く未知の領域でした。そこで「ウェブ広告が完璧にできれば、集客は最強だな」と思ったんですね。そしてそのままあまり深く考えず(笑)、まずは広告会社で働こうと1社目に入りました。

———その後、再度起業を経て凸に入社されたわけですが、学生時代から今までの仕事を通して「マーケティング」の定義を大川さんは今どのように解釈されていますか?

マーケティングとは、ずばり「売れ続けるための全体設計と実行」だと思っています。「たまたまラッキーでヒットして売れる」というのはマーケティングではなく「売れ続ける」というのが大事ですね。「売れ続ける」ことが必須条件のスキームを作れて、実行することがマーケティングだと思います。

“売れ続ける”全体設計と”答え”の言語化で巻き込む—組織を動かす”調整力”が問われる優秀マーケターの条件

———大川さんが考える、優秀なマーケターに必要なスキルについて、もう少し詳しく伺えますか?

根本的に、マーケティングは1人でやるのは難しいと思っています。個人事業主として1人でサービスを作っている場合なら成り立つのかもしれませんが、多くの場合、会社や組織として1つのサービスをスケールさせる必要がありますから、自分1人、もしくはマーケティングチームだけでは完結できません。

営業や商品開発、ファイナンスまで、マーケティングが関わる部署や人は多いですが、「攻め」の側である営業や商品開発と「守り」のファイナンスとのバランスの取り方は本当に大事です。さらにマーケティングは経営と密接に結びつかないといけないため、優秀なマーケターには、関わる組織全体を動かせるコミュニケーション力と調整力が必要だと思います。

———コミュニケーション力と調整力ですが、自分はそこが弱いなと自覚しているマーケターに何か良いアドバイスはありませんか?

思いつくのは2つです。1つ目は「自分は絶対にこうだと思う」「これだから正解できる」という「答え」をきちんと持っておくことです。

成功するかどうかなんて誰にも分かりません。しかしマーケターには「答え」を描ける力が必要で、いわば関係者を巻き込む上での大事なスキルじゃないかなと思っています。明確に成功を描けずに周りを巻き込むことなんてできませんから。

2つ目は、描いた答えを相手にきちんと伝える「伝達力」を鍛えることですね。巻き込む人を魅了するだけの言葉は大切です。僕は、リーダーシップは自分の描いた未来に人を魅了する力だと思っているのですが、これはマーケターにも共通して必要だと思います。

———「伝達力」は確かに重要ですね。巻き込む人を魅了するだけの言葉というのも、とても面白い表現だと思います。

自分がまずわがままを描く、と言い換えてもいいかもしれません。自分が明確に思い描けているものがまずあって、説得力を持ってそれを伝えられなければ人を巻き込めないと思っています。だって僕なら嫌ですよ、自分がどうしたいかが見えてない人から指示だけ出されるのは(笑)。

とはいえ、製品やサービスを作って世に出すとき、特にそれが全く新しいものであれば、最初から正解を持つことが難しいのは事実です。僕が言いたいのは、絶対的な「正解」が必要ということではなく、自分なりに考え抜いた「答え」を持っておくことが、マーケターというさまざまな人や部署を巻き込まないと実行できない性質の仕事である以上、必要だということです。 

マーケティングの難しさと快感が渦巻く新サービス「Playio」の立ち上げ現場

———現在は、ゲーム配当サービスの「Playio」のマーケティングに注力されています。3月のプレリリースから2か月を経て、5月14日に遂に正式リリースしましたが、Playioのマーケティングにおける難しさと楽しさをお聞かせいただけますか?

Playioのマーケティングの難しさは、なんと言っても、一般的なサービスよりも成果に関わる変数が圧倒的に多いところです。

立ち上げたばかりで十分なデータも取れていませんし、ターゲットが法人と一般ユーザーの両方ということもあり、どの変数を調整したらダイレクトに成果が出るのかが分かりづらいところがあります。変数が多すぎるがゆえに優先順位を付けることがが難しい、これが立ち上げ初期から今までで一番悩んでいることです。

一方で、いろいろ試してみて調整した変数で効果が出た時は、マーケターとしては快感ですね。

マーケティングのプロになるために — 基礎学習の重要性とキャリア形成

———Playioでは、日々困難と向き合い仕事に喜びを見出している大川さんですが、マーケティングの仕事に就きたいなと考えている方々は、どのようにスタートするのがよいと思いますか?

最初にお話ししたように、マーケティングは「売れ続けるための全体設計と実行」なので、再現性が必要です。その再現性を生み出すためには、網羅的なマーケティングの基礎が大事だと思います。広告運用を知っているだけでは十分ではなくて、全体の戦略設計とか、ブランド設計とかKPIマネジメントまで網羅的に理解できている必要がある、ということですね。

そう意味では、マーケティングは先人たちが既に築き上げたフレームワークや手法があるので、それをまず覚えるというのが入口だと思います。代表的なマーケティングの成功事例も多くありますから、それらをまずは勉強するのがいいですよね。

僕もそうでしたが、マーケティングをやりたいということで事業会社や広告代理店でマーケティング担当として働き始めたとすると、現場で学ぶことはもちろん実際に多いですが、それを網羅的、かつ、体系的に学べる機会は実は少ないと思っています。

基礎をきちんと教えてくれる上司や環境に出会えればラッキーですが、そんな恵まれた環境のある会社の方が少ないと思います。だとすると、マーケティングの基礎を網羅的に勉強して、マーケティングの全体像をある程度理解した上で実践に移る、というのが正しい流れだと思いますね。


———マーケティングの仕事に漠然と憧れを抱いている人や、今現在マーケティング業界にいるものの、基礎をきちんと学んでいないことで自信が持てない、どうやってスキルアップすればいいのか分からないという人たちに対して、何かアドバイスをお願いします。

マーケターには、SEOだけをやってきたマーケター、広告だけをやってきたマーケターなど、さまざまなタイプの人がいると思います。そういった人たちが将来的にWebマーケターではなく「マーケター」としてプロフェッショナルになりたいと考えているのであれば、ブランド設計のような上流の戦略設計も含めて、キャリアの先に自分でできるようになる必要が出てくるはずなので、そこにリーチできるような企業に転職するか、今いる企業でリーチできる業務にシフトしていく、というのが自然な流れだと思います。

代理店側のマーケターの場合に限って言えば、事業サイドに思い切って転職して、1つの製品やサービスのマーケティングを動かせるポジションに就くか、自分でビジネスを作ってしまうことが理想ですよね。とはいえ、転職先でマーケティングの基礎からしっかり教えてもらうことはかなり難しいでしょうから、スクールなどでマーケティングの基礎を勉強しながら、実際の業務で実務に慣れていければベストだと思います。


Playio(プレイオ) https://playio.jp

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この記事を書いた人

D's Marketing Boot Campの管理人です。
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